日本の化粧品会社、米市场で苦戦

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1、（資生堂の前田社長の氏名を「信造」から「新造」に訂正します。以下は変更された記事です）　【東京】日本の化粧品会社は、世界有数の技術を持つことで知られる。クリームや乳液には、しわを防ぎ、完ぺきな肌を作り上げるために、貴重な成分が配合されている。SusanByrnesforTheWallStreetJournal　それらの企業の前に立ちはだかっているのが「米国市場」という大きな壁だ。　機能的なアイラッシュカーラーで知られるシュウウエムラは、まもなく米国での小売り事業を終了し、今後はオンライン販売に限定する予定だ。欧米市場で高級ブランド「SENSAI」

2、を展開するカネボウは、昨年密かに30店舗を閉鎖し、現在はマンハッタンのバーグドルフ・グッドマンにある一店舗だけを残している。　日本では不動の地位を確立している資生堂は、最近、米化粧品のベアエッセンシャルを買収し、米国市場に攻勢を掛けている。同社が米国で事業を開始したのは45年前。だが市場での存在感は、お世辞にも大きいとはいえない。　シュウウエムラとカネボウの2社は、日本女性の陶器のような白くなめらかな肌が称賛され、日本の化粧品会社の技術が高く評価されるなかで、米国事業の大幅縮小を選択することとなった。　「日本人女性は世界で最も洗練された消費者だ。

3、日本のブランドは、国内で高い評価を受け、広く認知されている。だが海外で同じような評価を得るためには、戦略を現地に合わせて変更しなければならない」とエスティローダー日本法人のマーク・ルミス社長は語る。　日米がそれぞれ理想とする「美しさ」は、これまでより近づきつつある。白くなめらかな肌を最上とする日本の「美白」コンセプトは、長い間、人種差別的な意味合いがあるとされ、米国人の日焼け嗜好（しこう）とは相容れなかった。　だが最近、過剰な日焼けは肌にダメージを与え、しわの原因となるという認識が広まったおかげで、米国の美の基準に変化が起こった（日本人女性は、夏

4、の日差しの下を歩くときは必ず日傘を差している）。米国人はしわをターゲットにしたアンチエイジング商品にかつてないほど投資するようになった。日本で長く人気を保っている「ブライトニング」商品も、シミを隠し、肌色を整える目的で購入する米国人が増えている。　米国の「ブライトニング・ホワイトニング市場は、アンチエイジングと同じぐらいにまで成長しつつある」と米国で資生堂マーケティングのバイスプレジデントを務める、トモコ・ヤマギシ=ドレスラー氏は説明する。資生堂は05年に米国で「ホワイトルーセント」を中心とするブライトニング美容液を発売し、2ケタ台の成長を達成し

5、た。　米国でアンチエイジングやスキンケア製品への関心が高まり、日本企業がこの分野で世界的評価も得ているにもかかわらず、日本企業は世界最大の化粧品市場である米国ではあいかわらず苦戦し続けている。　資生堂は、さまざまなマーケティング活動を積極的に展開した結果、米国で4番目のブランドに成長した。10年前は10位内にも入っていなかった。　だが09年年度は、米国での売り上げは全体のわずか20％にとどまった。アジアでの売り上げは45％、欧州は34％を占めた。今年初めのインタビューで前田新造社長も米国での成長力の弱さを認める発言をしている。　米国事業を活性化す

6、るため、資生堂は1月に米自然派化粧品会社のベアエッセンシャルを17億ドル（約1570億円）で買収した。資生堂にとって過去最大規模の買収だ。　米エスティローダーのグループ・プレジデント、ジョン・デムシー氏は、日本企業の製品開発力を高く評価する。だが今のところ、その能力を十分に発揮しているとはいえない。「日本は、家電や自動車などの分野で米国に存在感を築くことに成功した。化粧品に関してはまだまだ」と同氏はコメントする。　日本のブランドが米国で直面している障壁はほかにもある。消費者の認知度が低く、日本から出荷するため流通コストも高い。また米国ではデパート

7、の店舗で販売することが多いため、販売員のトレーニングや売り場の確保などにも費用がかかる。　高級化粧品ブランドにとって今は冬の時代だ。高額化粧品は、景気が後退し始めてから、売り上げが落ち込んでいる。消費者が購入する化粧品はより低価格のものになり、購入する化粧品の数も減少した。　現在も日米両国の女性はスキンケアに対して全く異なるアプローチを取っている。スキンケアへの意識が高まっているとはいえ、米国人女性がスキンケアに費やすお金と時間は、日本人女性よりも著しく少ない。平均的な日本人女性が化粧品予算の60％をスキンケアに費やすのに対し、米国人女性の場合は

8、30％程度だ。　資生堂の調査によると、日本人女性の約69％が洗顔料、化粧水、保湿剤などを使って毎晩必ず肌の手入れをすると答えている。同じ