芸能编アナウンサー台本

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1、芸能編アナウンサー「ニュース　イレブン、それでは明日もまた、この時間にお会いしましょう。」今日も無事に終わったか…視聴率も悪くないし、報道の内容だってしっかりしている。だが、少し物足りない。贅沢なのは分かってる、けれど、「もっと何かができるんじゃないか」と思うのは、夢だった報道番組のメインキャスターになって、二年が過ぎたせいだろうか。「あっ、はい、局長。」遠征制作局長が、番組直後にわざわざ肩を叩きに来るのは、何かが決まった時。大体予想は付いていた。今までサブキャスターを務めていた女子アナが、急な事情で交番して二日、そろそろ決まら

2、なければおかしい。「決まりましたか？後任。あぁ～やっぱり、そうなると思ってました。最近の彼女はよく頑張っていましたから。それは嬉しいですよ、私が最初に指導した女子アナですからね。急な話ですが、きっと期待に応えてくれますよ。私の方は問題ありません、気が合う方だと思いますから。ええ、では私から彼女に伝えます。先まで見学してましたから、まだその辺りにいると思いますし。来週の頭であれば、心の準備も必要でしょう。正式な通知は明日ですね？分りました。えっ、まだ何か？その企画、本気ですか？はぁ、僕が前からそういた企画を希望していたのはご存知で

3、しょうに～分りました、詳しい話は明日。では、失礼します。」アナウンサーとして入社して、今年で十二年目。前半の六年間は、ずっとバラエティー番組中心だった。親が綺麗な顔に産んでくれたことと、長年培った外ツラの良さが、そっち方面に向いていると思われたんだろう。まるでアイドルのようにファンもついたが、そんなことのためにアナウンサーになったんじゃない。目標はあくまで、報道キャスター。うちの局では、報道番組担当のアナウンサーに限って、キャスターと呼ぶ。呼び方を変えるほど別格の扱いで、番組を制作する上でも、中心として扱われる。二十九歳で夕方枠

4、のニュースでサブキャスターになれたのは嬉しかったし、それから三年後に、深夜枠のニュース番組のメインを取らせてもらう時には、夢が叶ったと思った。しかし、現実は何時だって厳しい。世の中にどんなニュースがあるのだとしても、それは主張者に理解してもらわなければ意味がない。その人にとって、そのニュースはないのと同じだ。どれだけ誰かに恋をしても、相手が振り向いてくれなければ…というか、こちらの思いに気付いてくれなければ、恋愛が成立しないように。はぁ～恋愛に絡めて考えるなんて、どうかしている。「「廊下を走らないように」と何度言わせるんだ？もち

5、ろん君だって分かってたよ。廊下をそんな勢いで走る女子アナは君ぐらいだ。ほかのスタッフならもっと走りやすい靴を履いているから、そんな音にならないし。反省した？よろしい。次は気をつけて、今度こそ、気をつけて。」赤くなった、余程恥ずかしかったんだろう、このぐらいは、直属の先輩の特権だ。頬をほんのり染めるところが可愛いんだって、視聴者に知られてしまう前に、もう少し、独り占めして楽しいんでも罰は当たるまい。「ちょうど良かった、僕も君を探しいていたんだ、ちょっと話があってね。いい話かは悪い話かは、聞いてみたら分かると思うよ。うん、まぁ～そう

6、急かさないで、「こんなこと君に言ったらパニックになるんじゃないか」と心配してるから、言葉を選んでいるんだよ。」焦ってる焦ってる。「聞きたい？聞きたくない？ふっ、覚悟はいい？おめでとう！ニュース　イレブンのサブキャスターに抜擢されたよ。うん、そう～先局長がね、来週の放送からだそうだよ。ふっ、減・点・一～嬉しくて言葉にならないなんて反応は、素人当然だよ。こういう時ほどきちんと反応できないと…じゃもう一度。おめでとう！ニュース　イレブンのサブキャスターに抜擢されたよ。うん、そう～先局長がね、来週の放送からだそうだよ。うん！今度はよくで

7、きました。報道番組のキャスターになったから、きちんとできないとね。どうした？不安なのかい？いや～当たり前だよ、おかしくなんかない。夢に一つ近付いたんだ。緊張したり、不安になったりするのは当然だ。大丈夫～僕が君の隣にいるんだから。」大きくなついた迷いのない目には、信頼感と決意がいっぱいだ。「この信頼に応えたい。」そう思う反面、決意に満ちた表情を前にすると、一抹の寂しさがある。本人は知らないが、入ってきた時の彼女は、バラエティー多いんだった。原稿は読めない、言葉遣いも怪しい。だが、相手を和ませる柔らかい雰囲気と、明るい笑顔が代われた

8、のだ。ところが本人の希望は、王道。誰もが無理だと思っていた。新人アナウンサー指導員制度で彼女を見ることになった時は、会社と本人の思惑のギャップにくらくらしたものだ。バラエティーばかりに回されることに悩んでいた彼女に、先輩として相談に乗り、技術指導をした。彼女のま