欢迎来到天天文库
浏览记录
ID:48084576
大小:25.44 KB
页数:11页
时间:2019-11-24
《动物の心と动物解放论.pdf》由会员上传分享,免费在线阅读,更多相关内容在学术论文-天天文库。
1、京都生命倫理研究会発表動物の心と動物解放論2000年3月12日、京大会館にて伊勢田哲治(名古屋大学)1 序論動物の権利を求める運動は日本でこそ未だに認知度が低いが、欧米においては確立した運動として展開を続けている。1999年には、ニュージーランドで大型類人猿が権利を持つことを明記した法案が議会に提出されるところまで行ったようである(最終的に成立した法律では「権利」という言葉は削除されたようであるが)。こうした運動の参加者が動物の解放を求める理由は様々であるが、いろいろな立場の運動家がとりあえず合意することのできる事
2、項として、たとえば大型類人猿の権利の要求といった行動方針がたてられているようである。しかし、哲学者として動物解放の問題を考える上では、理論的な根拠付けの問題はなおざりにはできない。さらに、動物解放の問題の倫理学的に面白い点として、われわれの道徳的直観を救いつつ、しかも根拠のしっかりした道徳理論を作ることはなかなか容易ではない、ということが挙げられる。以上のような理由から、本発表では動物解放論の理論的な側面について論じる。とりわけ、最近の動物解放論をめぐる理論的な議論の特徴は、動物の心的能力についての豊富なデータをも
3、とにして理論の構築を試みている点である。そこで、本発表では動物の心理作用をめぐる知見が動物解放論の理論的基礎にどういう影響を与えるかという問題を考えてみたい。なお、本発表では、「動物解放論」という言葉を、動物への道徳的配慮を求めるさまざまな哲学的議論の総称として用いる。上に述べたような動物の権利を求める運動は「動物権運動(animalrightsmovement)」と呼ばれることの方が多いようであるが、動物解放の理論家の中にはシンガーをはじめとして「権利」という言葉をキーワードとしては用いない者もある。「動物解放」
4、の方が、これらの議論を総称するより中立的な表現として適切であると思われる。2 方法論的前提2-1反省的均衡の方法論動物解放論に限らず、応用倫理の議論では広い反省的均衡(widereflectiveequilibrium)がしばしば用いられる。われわれの道徳理論、熟慮された道徳的直観、および背景となる諸理論のあいだで均衡をもとめようという考え方である。動物解放論の場合でも、功利主義や権利論などの道徳理論、動物の取り扱いに関する直観(熟慮された直観的道徳判断)、そして動物の心的能力などについての背景理論がからまりあって
5、おり、この三者1注1の間に均衡をもたらすことが要求される。しかし、動物解放派、反解放派ともに反省的均衡を使いながらてんでに違う結論に達していることからもわかるように、「反省的均衡を使う」というだけでは方法論としてほとんど何も言っていないに等しい。本発表の目的の一つは、とくに背景理論のはたす役割との関係で、反省的均衡の方法論をより明確にすることである。2-2道徳的類似性の規則もうひとつ、動物解放論をめぐる文献でとりあえず両陣営がみとめる方法論的前提として次のものがある。「道徳的に適切な点において似たようなものは似たよ
6、うな取り扱いをするか、さもなければ似たように取り扱わない十分納得のいく理由を示す必要がある」注2ここではこれを「道徳的類似性の規則」と呼ぶことにする。動物の心的能力に関する知見が動物解放の議論において重要な位置をしめるのは、ここでいう「十分納得いく理由」がしばしば動物の心的能力に求められるからである。具体的には、動物の心的能力の次のような側面が動物解放論とのかかわりで問題となる。そもそも動物は意識を持つか?動物は痛み(pain)は感じるか?動物が痛みを感じたとして、それは苦しみ(suffering)を構成するか?動
7、物は欲求や信念を持つか?動物は利害(interest)を持ちうるか?動物は言語や抽象的な概念をあやつることができるか?動物に自意識はあるか?動物は未来について考えることができるか?動物は契約の当事者たりうる能力があるか?こうした問題については、動物行動学の成果が非常に参考になり、動物解放派、反解放派両者から引き合いにだされることになる。(動物の心的能力に関する動物行動学の成果をまとめた邦語文献としては、グリフィン1995、ドゥ・ヴァール1998、ロジャース1999などが参考になる。)注1シンガーはよく知られていると
8、おり反省的均衡の批判者であるが(Singer1974)、私の理解では、かれの批判は方法論としての反省的均衡というよりは、正当化論としての反省的均衡に向けられている。むしろ方法論的には、シンガーの理論構築も反省的均衡に近い方法を採っていると思われる。この点についてはまた別の機会に譲りたい。注2これはヘアの初期の著作で言うところの「普遍化可能性」に近いものだが(
此文档下载收益归作者所有