中国における住宅积立金制度のあり方

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1、中国における住宅積立金制度のあり方趙廉慧*　周知のとおり，住宅積立金制度は，中国におに，住宅積立金制度の法的性質は明確でなく，中いて施行されている重要な社会法制度の一つと国の社会保障制度は住宅保障制度を含むかどうして知られている。しかし，住宅積立金の法的か，また住宅公共積立金制度が社会保障制度に性質，社会保障制度として住宅保障制度を位置属するか等の種々の問題について十分な議論がづけていいか，また住宅積立金制度をどういうされていない。そこで，本稿はこの社会保障制社会保障制度に帰属させるか，住宅積立

2、金の使度の周辺にある制度から着手することにし，上途などに関する様々な基本問題についてはまだ述の問題点を取上げ，社会保障における理念，プ十分検討されていない状態である。そこで，本リンシプルに基づいて検討を行い，その法的性稿では，このような内容に着目して検討し，同質を明確にしたいと考える。制度の問題点を指摘し，解決策を探る試みをし⑵　社会保障制度の位置づけ（法的根拠）たいと考える。　中国憲法第45条は，中国における社会保障制度の根拠の一つとして認められている。同条に一，社会保障制度における住宅保障制

3、度よると，「中華人民共和国の公民は，一定の年齢に至り，疾病あるいは労働能力を喪失した場合⑴　中国住宅積立金制度の発端に，国家及び社会から物質補助を得る権利を有　住宅保障制度は，中央政府の指令により施行する。国家は，必要な医療衛生事業及び社会保されたわけではなく，手始めとして地方から施険，社会的救済メカニズムを発展させる」と規行されている。制度に対する十分な検討が行わ定している。同条文によると，社会保障制度にれていない状態で，立法が行われる場合，中国は主に，伝統的な社会保険，社会救済制度などでは，

4、同制度のように，地方から始めて，石橋が含まれていると理解できる。しかし，住宅保を叩きながら渡るような立法手段が数多く採ら障の問題も社会的救済制度の範疇に組み入れられている。れる。しかし，中国経済の発展により政府の財　1991年に，中国の上海市は，シンガポールの政力は強くなり，政府機能が整備されることに公共積立金（providentfund）制度を参考にしより,社会保障制度の内容も新たに増えている。て『上海市住宅制度改革実施方案』を初めて制衣食住に対する物的方面の需要は，人権の基本定し，今日に至り

5、20年近く施行され，制度の発内容の一つとして，中国憲法第14条第３項，第展を遂げている。いうまでもなくこの20年間，住４項によると，「国は合理的な配置で蓄積及び消宅積立金制度は住宅商品化の改革において，重費を調整し，国家，集団，個人の利益に対する要な役割を果たしてきた。ただ，前述したよう配慮を基に，生産の発展を通して，徐々に人民*中国政法大学民商経済法学院准教授192の物的生活及び文化生活を改善することを図る。国は，経済の発展に相応する社会保障制度を構二，住宅積立金の性質について築し，整備して行

6、く」と規定している。同条文は基本的居住条件を提供，保障し，更に改善し　現に，住宅積立金の性質については，様々なて，労働者が安らかに暮らし，楽しく働けるこ学説が存在している。本章では，これらの学説とが政府の義務と責任であることを確認した。に基いて，住宅積立金の性質を探ることにする。公民の基本的な居住条件を保障することが，政府の基本的機能であることを体現した。住宅市１．「個人所有」の性質場の内在欠陥を起こさないようにするため,低　『住宅積立金管理条例』第３条は：「従業員収入の住民の住宅問題を解決する

7、ための保障体個人が預け入れた住宅公共積立金と従業員が所制は国の社会保障システムの重要な内容である。属する事業所が従業員のために預け入れた住宅その問題の解決のためには，専門の政府部門あ公共積立金は，従業員の個人所有に属する」とるいは機関の設置だけではなく，専門の保障資規定している。当該規定によると，住宅積立金金も必要である。の基本的な性質は，従業員個人の私有財産であ　これについて，多くの国は，住宅関係の法律り，行政的公共財産あるいは財政資金ではない。を定めて，明確に規定している。政府関与の目ここで

8、，注意しなければならないのは，従業員標，住宅供給・需要及び政府財政による支援のの「個人所有」を語る際に，この「所有」は，民能力に基づき，国によって異なるが，いずれも法上の完全な所有権というわけではないという大きな効果を収めたということができる。中国ことである。民法が想定する典型的な所有権者においては，転換しつつある時期にある現在では，占有，使用，譲渡及び処分という四つの権は，住宅保障体系の中で政策的金融機能の担い能を有する。事実上，住宅積立金は，二つの特手として，長期的な市場化過程，及び中低収入