中国経済论----第3章 経済発展と市场移行

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1、「中国経済論」第３章　経済発展と市場移行　王　毅　要約　　第11期3中全会において改革開放を旗印とした新しい時代が始まった。1993年には、「社会主義市場経済システム」が提起された。大胆な対外開放が行われ、中国は外向型経済に生まれ変わった。中国の市場移行は、「体制転換」と「構造変化」が同時平行して進んだところに他の国・地域にはない特徴が見られた。これらの特徴は、市場化の進展に伴って大きく変化しつつあるが、中国が今後つくり上げる市場経済システムにも　　一定の影響を残すことが予測できる。１.改革開放の20年①出発点としての農村改革　改革開放の時代は、農

2、村から始まった。北京で11期3中全会(1978年)が開かれていた頃、安徽省鳳陽県の農民たちは、政府の承認なしにこっそりある試みを実施した、請負生産である。この実験は、またたく間に全国各地に広がった。　請負生産方式の導入は、農民の生産への積極性を引き出すことに成功した。農家所得の急上昇をもたらした。さらに重要な点は、農民が自らの財産を元手に激しい勢いで非農業領域に進出したことである。郷鎮企業(Township-VillageEnterprises)の発展がそれである。②都市改革への重点移行　1984年から改革の重点を都市に移した。この時期の改革は「放

3、権譲利」型改革と呼ばれる。その核心は、それまで政府が一手に握っていたマクロ経済管理の権限を地方政府や企業レベルに下放し、利益を譲ることにあった。国民経済に占める国有セクターの割合は徐々に低下した。　国有企業の改革については、大中型企業では経営請負制度が実施され、小型企業では企業の売却、　　リース経営など多様な手法が採られた。1986年、経営者と労働者とが雇用契約を結ぶ労働契約制度が導入された。国家財政から無償で支出されていた投資資金は、銀行有償借入方式に切り替えられた。上海と深圳に証券取引所が設立され、資金調達の多様化への道開かれた。　他方、中央政

4、府と地方政府との関係にも大きな変化が生じた。③社会主義市場経済システムの確立　1993年11月の第14期3中全会において《社会主義市場経済システムを確立するうえでの若干の問題についての中共中央の決定》を採択された。《決定》は、現代企業制度の確立；全国統一的で開放的な市場体系の構築；政府の間接的なマクロ管理機能の確立の3本柱からなる。このうち、国有企業改革と深くかかわるのは次の2つの制度改革である。第一は、現代企業制度の確立である。第二は、社会保障　　　体系の確立である。④経済の国際化の進展　中国は対外開放政策を採用した。外国政府や国際機関に借款を要

5、請するとともに、対外開放の拠点　　として、4ヵ所に「経済特区」を設立し、外資の直接投資を積極的に呼び込む政策を打ち出した。２.市場移行はどこまで進んだのか①市場移行とはなにか　市場経済とは、私有財産を基礎とし、市場を通じて希少資源の効率的分配を実現する経済システムを指す。図3-1は、市場経済と基層社会との関係を図示したものである。②体制転換と構造変化　市場移行を「体制転換(transition)」と「構造変化(transformation)」の二段階に分けてとらえている。前者は狭義の市場移行を意味し、後者は市場が十分に機能する経済システムの形成まで

6、の比較的長い過程を意味する。　「体制転換」の完成を示す基準として次の3つを挙げた。I.共産党が政治的な独占的権力を失うこと。II.生産手段の大部分が私的所有で、私的セクターがGDPの大部分を担うこと。III.市場が経済活動の支配的な調整システムであること。③市場化の到達点　市場移行をこうした視点からとらえ、それを定量的に把握する工夫として、2つの指標を設定した。　　第一は、第一次産業と第二次、第三次産業との産業構造に基づく区分である。第二は、計画経済から市場経済への移行を表す指標である。図3-2は、雇用者数データを利用して、1978年から2001年

7、までの市場化の進展を示したものである。この図から明らかなように、全体として見れば、市場化は着実に進んできたと言える。しかし、その進み方は一様ではなく、時期ごとに特徴が見られる。市場化の進展過程は大きく分けて5つに時期区分できる。　全国レベルと同じ指標の省別データをもとに計測し、地域ごとにもとなる市場化の進捗状況を見ることにしたい。図3-3は1999年のデータをもとにして、市場化の2つの指標から得られる各省の位置を　　プロットしたものである。３.市場移行の中国的特質①漸進性と初期条件　中国の経験が示す漸進性には、少なくとも次の3通りの解釈が可能である

8、。　第一は、改革の目標モデルが明確にされず、なし崩し的に改革が進められたことである。　第二は、改革の実施方法についての特徴