环境依存を克服し、农业を产业へ(植物工场活用策) - 小池まさなり

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1、若手研究者による政策提言社団法人日本経済研究センター「環境制御型農業生産システムの推進とそのための制度改革」中間報告JapanCenterforEconomicResearch2009年11月30日環境依存を克服し、農業を産業へ（植物工場活用策）小池政就*概要近年の国内外における食料市場の変動は大きく、国際的な価格の急変や貿易自由化に各国は対応を迫られている。また中長期的にも需要構造や資源制約の変化に伴う外部環境の動きから、既存の供給体制の見直しが必要となる事が想定される。日本においても減反政策の見直しや生産者への戸別所得補償といった政策が検討されてきた。しかし政治問題化しており、解決

2、への道筋は見えない。その一方で、技術革新により、人工的に生育環境を制御した工場で農産物が生産できる植物工場が出現してきた。このことは農業を大きく転換させる可能性を表している。本稿では環境制御型の工場生産（植物工場）の持つ潜在力に注目し、産業として拡大するための推進策とその効果を探った。食料をめぐっては、国際的には既に顕在化しているように今後も地域的な需給逼迫や価格高騰が想定される。特に気候条件が厳しい新興国で、人口増や経済成長が予想されている。植物工場での人工的な環境制御やモニタリング等の技術に加え、同工場が砂漠などで動力源がなくとも自律的に生産することを可能とするための再生可能エネル

3、ギー技術では、日本は世界のトップランナーである。中東地域など成長と人口増が予想されながら従来方式では国内生産が限られる地域に対しては、省資源型の植物工場が輸出産業になる可能性は高い。また食の安全性が注目される中で、植物工場は安全な農作物生産も可能にし、国内でも一定の普及拡大が見込まれる。提言では、植物工場を中心とし農業生産技術の競争力に着目し、同工場を支えるシステムの海外展開の推進策のほか、植物工場の天候の変化に対して価格を安定させる可能性について試算したうえで国内での普及拡大策にも言及した。植物工場にかかる規制を既存の農業並にするよう求めている。これらによって、国内における社会的厚生

4、の向上と産業としての基盤を確立し、国外における可能性を拡大していく事を期待する。*東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻特任助教http://www.jcer.or.jp/日本経済研究センター若手研究者による政策提言植物工場–農業の産業化の可能性今、農業が空前の注目を集めている。新聞、テレビ等のマスコミでは連日特集が組まれ、毎週のように開催される農業関連のセミナーはどこも盛況である。中には高額の参加料がかかるセミナーもあるが、講演に真剣に耳を傾ける参加者の熱気で溢れている。背景としては、安全・安心を重視する消費者側の関心の高まりに加え、農地法の改正により新規参入の規制が緩和された

5、事が大きい。更には、工場生産という新たな生産体系が確立しつつある事が、異業種企業までをも含めた相次ぐ新規参入を促進している。農産物の生産工場とは、植物の生育に最適な環境を人工的に制御する事により年間を通して計画生産を行う施設である。光合成に必要な光の光量や光質、水と養分、施設内の気温、湿度、CO2濃度などをモニタリングしながら制御するのである。また施設内では通常栽培棚を多段式とし、栽培から収穫までの作業を一部機械化する事により、土地効率や作業効率を高めている。そのため環境制御型食料生産はいわゆる四定（定量、定時、定質、定価格）での生産に加え、肥料・水使用の減少、食品の安全性向上、土地の

6、有効活用、また関連産業の発展や雇用機会の拡大など波及効果は高い。更に特殊な環境創造や遺伝子組み換え技術を併せる事により新たな機能性植物の生産も可能になる。一方で現状の段階においては莫大な初期投資や運営費がかかり、市場浸透の課題となっている。09年4月時点で、国内に植物工場と見なせるものは約50カ所あり、経産省と農水省は前述の多様な効果を臨み3年間で3倍の150カ所に増やす計画を進めている。以下、農工連携の象徴としての植物工場の推進を通した日本の取り組みにつき、内外の食料市場における構造的課題を踏まえながら更なる潜在力とその促進策を探る。植物工場実施例紹介:A社生産形態:照度、日長、温度

7、、湿度、養液、液温、CO2等の生育環境を人工的に完全制御栽培品種:レタス類数種（将来的には果実、根菜、苗も検討）生産量:日量約2万株が可能（現状は稼働率が半分ほど）強み:生産性の高さ（多段式、年間約20回収穫）歩留まりが80～90%（露地物は通常約50%）2479雑菌が少ない=一株当たり10以下～10個(露地は通常10～10個)労働環境、負担が少ない。多段式で効率高い。循環利用により必要水量を削減。課題:コスト高（「消費者に対して品質･安全性の