分布型流出モデルを用いた流域スケールでの水利用環境の評価

分布型流出モデルを用いた流域スケールでの水利用環境の評価

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1、京都大学防災研究所年報第53号B平成22年6月AnnualsofDisas.Prev.Res.Inst.,KyotoUniv.,No.53B,2010分布型流出モデルを用いた流域スケールでの水利用環境の評価*平井基弘・野原大督・堀智晴*京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻要旨持続可能な水利用環境を考えるためには,流域スケールで,日あるいは旬といった単位で,水の移動と収支・水利用の関係を,表流水・地下水の両社を含めて,定期的に把握することが重要になってくる.そこで,本研究では時空間分布を考慮できる分布型流出評価モデルHydro-BEAM(Kojiri,

2、2006)を用いて,地下水取水を加味した長期流出解析を行った。これにより,実際に観測することが困難である地下水を降雨量,河川水,蒸発量といった水収支から計算し,流域スケールでの地下水の時空間分布特性の把握を行うことで,流域内の表面流出・中間流出・地下水流出を統合的に捉え,地下水取水による水利用環境の評価を試みた。キーワード:水資源,水利用,水収支,分布型流出モデル,地下水,表流水1.はじめにった単位で,水の移動と収支・水利用の関係を定期的に把握することが重要になってくる。近年,河川表流水に加え,地下水の利用も含めた土中の水の流れを詳細に追跡するには,土壌

3、,地統合的水利用政策が重要になってきている(武田,盤などの地質データに基づき,地下水の流域,流速,2008)。専ら水資源を表流水に頼っている地域にお流出方向などを正確に表現する地下水流の方程式をいては,地下水は気候変動による渇水リスクの増大解かなければならない。しかし,三次元で地下水のに対する適応策として活用できる可能性があり,水流動を追跡する手法は,地下構造の推定精度や計算質的にも優れた水資源である。地下水を安定的に利負荷の点から,困難なことが多い。一方,流域全体用するためには,地下水アセスメントが必要不可欠といったスケールでの水利用の影響を考える場合

4、にである。一般に,工場の設置など新たに比較的大規は,細かいスケールで地中水の流動を見ることより模な地下水取水を行う場合には,取水による地下水も,流域全体の状態をマクロに把握することが重要面変動がどのようになるかという点について,揚水になることも多い。流域全体を取り扱うことに関し試験等を行って確認されることが多い。こうした解ては,特に表面流出や中間流が,河川表流水となっ析では,主に近隣の既存の井戸に悪影響を及ぼさなて流出してくる過程をシミュレートする。いわゆるいかどうかといったことに主眼が置かれており,考降雨・流出モデルがいくつか提案されている。洪水慮期間

5、は短く,また,考える範囲も限定的であるこ流を解析対象とする場合には,蒸発や地下浸透などとがほとんどである。地下水は河川が流域を持つよは一定の損失としての取り扱いをされることが多いうに,広域の地下水流域を持ち,鉛直方向だけではが,長期の流出を取り扱う場合には,地下への浸透なく水平方向にも広く移動する。また,地下水の流や地下での水の流れを貯留タンクのように概念的に速は0.1m/day~10m/dayと遅い。そのため,大規模な構成して結合したものが用いられることがある。こ地下水取水が行われれば,かなり離れた下流域にまうしたモデルでは,地下部分の流動は詳細な物理

6、則でその影響が及んだり,あるいは影響が時間的に遅に基づいて計算されるわけではないが,プロセスをれて現れたり,長期に渡って続いたりすることも考単純化することにより,表面流,中間流,浅い地下えられる。したがって,持続可能な水利用環境を考水流出,深い地下水流出を統一的に,しかも流域スえるためには,流域スケールで,日あるいは旬といケールで一定程度とらえることができるという特徴―715―がある。したがって,こうしたモデルで流域全体の降水流出過程を地下浸透・流動まで含めてシミュレAreaselectionートできれば,大規模な水利用が,流域の水環境にMeshsize

7、determination及ぼす影響を時間的,かつ空間的に定量化して把握Basindeterminationできる可能性がある。DEMFlowdirectiondeterminationそこで,本研究では時空間を顧慮できる空間分布Flowdirectionmodification型流出評価モデルHydro-BEAM(Kojiri,2006)を用FlowdirectionmapLanduseclassificationいて,地下水取水を加味した長期流出解析を行った。ThiesendivisionSlopeangledeterminationこれにより,実際

8、に観測することが困難である地下Fig.1Procedureforbuilding

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