市場秩序と解釈について―解釈学的経済学

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2、葿蒅羅肈节螄羄膀蒇蚀羃节芀薆肂羂蒅蒂肂肄芈螀肁膇蒄螆肀荿芇蚂聿聿薂薈蚆膁莅蒄蚅芃薀螃蚄羃莃虿螃肅蕿薅螂膇莁蒁螁芀膄衿螀聿蒀螅螀膂芃蚁蝿芄蒈薇螈羄芁蒃螇肆蒆螂袆膈艿蚈袅芁蒅薄袄羀芇薀袄膃薃蒆袃芅莆螄袂羅薁蚀袁肇莄薆袀腿薀蒂罿芁莂螁羈羁膅蚇羈肃莁蚃羇芆膃蕿羆羅葿蒅羅肈节螄羄膀蒇蚀羃节芀薆肂羂蒅蒂肂肄芈螀市場秩序と解釈について　―解釈学的経済学についてのノート　　　　　　　　　　　　　　　山本　崇広東京大学総合文化研究科博士課程所属　e-mail:tayu@tmtv.ne.jpはじめに解釈学は経済学に何をもたらすだろうか。これが本論文の課

3、題である。経済学において解釈が重要であるという見解は、しばしば強調されてきた。最近では現代オーストリア学派のラヴォイ(D.Lavoie)が中心となり、解釈学的アプローチという試みがなされ、多くの論議を巻き起こした解釈学的アプローチについての文献は、たとえば次のようなものがある。Lavoie,Doned.(1990).EconomicsandHermeneutics.(NewYork:Routledge).Prychitko,DavidL.ed.(1995).Individuals,institutions,interpretatio

4、ns:hermeneuticsappliedtoeconomics.(Aldershot;BrookfieldUSA:Avebury).Addelson,Mark.(1995)EquilibriumVersusUnderstanding:TowardstheRehumanizationofEconomicsAsSocialTheory,(NewYork:Routledge).。そもそも聖書釈義の術であり、テキストを読解する方法についての学であった解釈学が、市場経済を理解しようとする経済学といかなる関係があるのだろうか。解釈学的知見の

5、必要性を唱えるものにとっては、このことが第一の課題となる。　しかし、このような課題に十分な答えが与えられてきたとはいいがたい。ラヴォイの解釈学的アプローチは、もともとはこうした課題への試みではあったが、議論のほとんどはオーストリア学派内の論争に費やされ、もっとも中心的であるはずの問題はあまり検討されてこなかったのである解釈学的アプローチについての議論が、次第にオーストリア学派内部の議論へと移っていったことはAdvanceinAustrianEconomics,Volume4.に展開されたラヴォイとプリチコの論争を見れば明らか。そこで

6、はオーストリア学派が解釈学的伝統にあるかということが論争の中心となっている。。そこで、本論文では、解釈学的知見とはどのようなものであり、それがなぜ市場社会の理解に必要であり、そしてそれによって経済学にどのような視角がもたらされるのかということについて考察を試みたい。もちろんこの問題はあまりにおおきな課題であり、ここで示すことができるのは、こうした問題のほんの入り口を示すことに過ぎない。考察にはいるまえに、解釈学的アプローチの二つのレベルについて注意しておく必要がある。解釈学的アプローチとは、市場社会の理解に解釈学的知見を積極的に利用

7、しようとするアプローチのことであるが、ここには解釈の二つのレベルがある。一つは分析者にとっての解釈であり、これは方法論に関わる問題である。もう一つは経済人における解釈であり、これは各主体の経済活動に関係するものである。本論文で扱いたいのは、この後者のレベルである。すなわち、経済主体が経済活動をおこなううえで解釈がどのようにおこなわれ、いかなる役割を果たしているのかという問題についての考察したい。この考察によって、経済主体がおこなう解釈が市場秩序を形成する重要な役割を果たしており、また、解釈について理解することが市場秩序についてより豊

8、かな認識をもたらすということを主張したい。第１章　経済学における解釈　経済学の主要な課題は、市場秩序を理解することにあるのは疑いえない。主流派経済学においては、ある合理的な経済人の想定を出発点として、その経済人の行動が価格調整によって