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时间:2017-07-21
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1、はじめに 第1章 なぜ今、武士道精神か 第1節 武士道とは 第2節 武士道の道徳律 第3節 武士道への関心の高まり 第2章 信頼喪失社会と武士道精神 第1節 豊かさの代わりに失ったもの 第2節 信頼と安心 第3節 真の合理性とは 第4節 法律と道徳 第3章 希望格差社会と武士道精神 第1節 リスク社会の弊害 第2節 希望なき若者(1)希望という感情(2)アイデンティティとしての職業(3)「あきらめ」の教育システム(4)自分の殻に閉じこもる 第3節 自分らしく生きる おわりに 脚注 参考文献?新聞はじめに 「なぜ武士の身体と心を格好いいと思ってしまうのだろう」1これが武
2、士道精神をテーマに選んだ最初の理由である。源義経にみる判官びいき、「真田十勇士」を誕生させるほどに人を惹きつけた真田幸村、「忠臣蔵」の大石内蔵助ら四十七士、そして新撰組など、今なお根強い人気を誇り、語り継がれる武士たちがいるのは明らかである。私自身そうなのだが、いつの時代も人は少なからず武士に何か心惹かれるものを感じるのではないだろうか。武士の身体と心、それこそが武士道精神である。しかし、武士道精神とは何なのかを突き詰めて考えると、よく分からないというのが本音である。それは時代時代で変わっていくものだと感じる。 また、最近、新聞で「社会の信頼関係の崩壊」を危惧した記事を多く目にする
3、。個人の顔が見えない匿名社会、地域社会の流動化などと様々であるが、どの記事も共通して人と人とのコミュニケーションのあり方、倫理観の重要性を説いている。その中で今、注目を浴びているのが武士道精神なのである。日本に必要なのは武士道精神や惻隠の情であると訴えた、藤原正彦の著書『国家の品格』がベストセラーになったのは記憶に新しい。今日、あらためて国家やナショナリズムが問われる中で、武士道精神は再評価されている。そして、それに呼応するように、武術や武士道精神への人々の関心が高まっている。なぜ今、武士道精神なのか。この風潮は何を意味し、私たちに何をもたらすのだろうか。 本論では、まず第1章にお
4、いて武士道について考察する。第2章では、現代社会の世相として、当たり前と信じていたことが次々と裏切られる「信頼喪失社会」、第3章では、希望が消滅していく「希望格差社会」の二つを取り上げ、武士道精神と絡めて見ていく。そうした問題を考えながら、武士道精神が私たちに伝えるもの、更には現代における武士道精神なるものを見出していきたいと思う。第1章なぜ今、武士道精神か第1節 武士道とは 「武士道とは何か」という問いに対して、明確な解答は困難である。「これぞ武士道」として成文化されたものはなく、それはその時々の状況に応じて姿を変える。佐伯真一は『戦場の精神史』の中で、「現在使われている『武士道
5、』という言葉をあえて包括的に定義しようとすれば、『武士の精神などを述べるために適宜用いられる語。内容は、使用する者の武士観によって大きく異なる』とでもしておくほかあるまい」2と述べている。そもそも「武士道」という言葉が使われ始めたのは、古川哲史が『武士道の思想とその周辺』で考証しているように、戦国時代後半ないし末期頃であるとされる。その後、江戸時代において、山本常朝が著した『葉隠』をはじめ、山鹿素行の『山鹿語類』、井沢蟠龍の『武士訓』、大道寺友山の『武道初心集』などいくつかの書物において武士道精神が述べられたが、それらは武士の処世訓といったもので、武士道そのものを体系的に網羅してい
6、るわけではなく、「武士道」という言葉はさして多用されたわけではなかった。武士道論議が盛んになったのは、その主体である武士階級が消滅した明治30年代以降になってからのことである。その意味では、「武士道」という言葉自体はやや歴史の浅いものなのである。上記で述べたように、武士道に明確な定義はない。しかし今日、一般的に武士道と言った場合、それは日本人の普遍的な倫理道徳観として受けとられる。武士道は、12世紀末からの長い封建風土の中で、特権階級である武士のあるべき姿として自然発生的に培養され、そのつど時代に即応して研鑽され、やがては“武士の掟”となった倫理道徳観であり、その崇高な精神が時代の
7、変遷とともに研鑽され、広く一般にも普及したとされている。このように、武士道が倫理道徳観であるという印象は新渡戸稲造の著書『Bushido-TheSoulofJapan』の影響によるところが大きい。この本は1899年にアメリカで刊行され、以来、絶大な賞賛とともに多くの読者を魅了した。日本では翌年の1900年に、またイギリス、ドイツ、ポーランド、ノルウェー、フランス、中国でも出版され、世界的な大ベストセラーとなった。今日における武士道の理論的支柱は、この新渡戸の『武士道』
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