欢迎来到天天文库
浏览记录
ID:16475625
大小:55.50 KB
页数:16页
时间:2018-08-10
《日语文学作品赏析《窃む女》》由会员上传分享,免费在线阅读,更多相关内容在教育资源-天天文库。
1、一子供が一人ぐらいの時はまだいゝが、二人三人となると、育てるのがなかなか容易でない。子供のほしがるものは親として出来るだけ与えたい。お菓子、おもちゃ、帽子、三輪車――この頃は田はや舎でも三輪車が流行っている。女の子供は、少し大きくなると着物に好みが出来てくる。一ツ身や、こしら四ツ身を着ている頃はまだいゝ。しかし四ツ身から本身に変る時には、拵えてやっても、拵えてやってもなお子供は要求する。彼女達は絶えず生長しているのである。生長するに従って、その眼も、慾望も変化し進歩しているのだ。清吉は三人の子供を持っていた。三人目は男子だったが、上の二人は女だった。長女は既に十四になっている。夫婦揃って子供
2、思いだったので、子供から何か要求されると、どうしてもそれをむげに振去るここうもりとが出来なかった。肩掛け、洋傘、手袋、足袋、――足袋も一足や二足では足りない。――下くし駄、ゴム草履、櫛、等、等。着物以外にもこういう種々なるものが要求された。着物も、木綿縞や、ガスゆうぜん瓦斯紡績だけでは足りない。お品は友染の小浜を去年からほしがっている。二人は四苦八苦しながら、子供の要求を叶えてやった。しかし、清吉が病気に罹って、ぶら/\しだしてから、子供の要求もみな/\聞いてやることが出来なくなった。お里は、家計をやりくりして行くのに一層苦しみだした。せいもんはらい暮れになって、呉服屋で誓文払をやりだすと、
3、子供達は、店先に美しく飾りたてられたモスリンや、サラサや、半襟などを見て来てはそれをほしがった。同年の誰れ彼れが、それぞれ好もしいものを買って貰ったのを知ると、彼女達はなおそれをほしがった。よ「良っちゃんは、大島の上下揃えをこしらえたんじゃ。」お品は縫物屋から帰って来て云った。「うち(自分のこと)毛のシャツを買うて貰おう。」次女のきみが云った。ひと子供達は、他人に負けないだけの服装をしないと、いやがって、よく外へ出て行かないのだ。お品は、三四年前に買った肩掛けが古くなったから、新しいのをほしがった。清吉は、台所で、妻と二人きりになると、「ひとつ山を伐ろう。」と云いだした。お里はすぐ賛成した。
4、どんぐり山の団栗を伐って、それを薪に売ると、相当、金がはいるのであった。二きこり正月前に、団栗山を伐った。樹を切るのは樵夫を頼んだ。山から海岸まで出すのは、お里がかるこわ軽子で背負った。山出しを頼むと一束に五銭ずつ取られるからである。お里は常からよく働く女だった。一年あまり清吉が病んで仕事が出来なかったが、彼女は家の事から、野良仕事、山の仕事、村の人夫まで、一人でやってのけた。子供の面倒も見てやるし、清吉の世話もおろそかにしなかった。清吉は、妻にすまない気がして、彼自身のことについては、なるだけ自分でやった。が、お里の方では、そんなことで良人が心を使って病気が長びくと困ると思っていた。清吉の
5、前では快活に骨身を惜まずに働いた。たば木は、三百束ばかりあった。それだけを女一人で海岸まで出すのは容易な業ではなかった。お里が別に苦しそうにこぼしもせず、石が凸凹している嶮しい山路を上り下りしているのを見ると、清吉はたまらなかった。「ひまがあったら、木を出せえ。」彼は縫物屋が引けて帰ったお品に云いつけた。わ「きみも出すか、一束出したら五銭やるぞ。」姉よりさきに帰っている妹にも云った。きみはまだ小さくて、一束もよく背負えなかったが、わ「一束に五銭呉れるん。そんなら出さあ。」きみは、口を尖らして、眼をかゞやかした。「出すことなるか?」「うん、出さあ。一束よう出さなんだら、半束ずつでも出さあ。」「
6、そうかい。」彼は笑った。三木代が、六十円ほどはいったが、年末節季の払いをすると、あと僅かしか残らなかった。予め心いちこうひようちん積りをしていた払いの外に紺屋や、樋直し、按摩賃、市公の日傭賃などが、だいぶいった。病気のせいで彼はよく肩が凝った。で、しょっちゅう按摩を呼んでいた。年末にツケを見ると、それかさだけでも、かなり嵩ばっていた。それに正月の用意もしなければならない。つねぎ自分の常着も一枚、お里は、ひそかにそう思っていたが、残り少ない金を見てがっかりした。清吉は、失望している妻が可愛そうになった。はいこ「それだけ皆な残さずに使ってもえいぜ。また二月にでもなれゃ、なんとか金が這入っ来んこと
7、もあるまい。」と云った。「えゝ。……」声が曇って、彼女は下を向いたまゝ彼に顔を見せなかった。……正月二日の初売出しに、お里は、十円握って、村の呉服屋へ反物を買いに行った。子供達は母の帰りを待っていたが、まもなく友達がさそいに来たので、遊びに行ってしまった。清吉は床に就いて寝ていた。十時過ぎにお里が帰って来た。まくらもと「一寸、これだけ借りて来てみたん。」彼女は、清吉の枕頭に来て、風呂敷包を拡げて見せた。がすり
此文档下载收益归作者所有