孙への子育て支援方式と程度についての日中比较

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1、孫への子育て支援方式と程度についての日中比較 I　序論日本では、昔母親が専業主婦である場合が多く、家事と子育てをやりこなした。今は仕事やバイトなどをしながら、育児をする母親が増えてきたのに、子育てはすべて母親のすることだという観念がまだ根強く残っている。第一生命保険会社（2008）の調査では、孫を持つ祖父母の9割が子育て支援に参加してはいるが、ほとんど経済的な支援方式で行われているということが分かった。核家族の家庭では、「母親たちが育児経験が少ない」、「精神的ゆとりがない」、「一人で子育てして負担

2、が大きい」などの原因で過半数は育児ストレスがたまっている。一方、夫の親と同居している母親は、子供が思い通りにならず、夫の親の協力が得られないなどの育児不安を抱いているという。それに対し、中国では、夫一人で家計を立てるのが考えられないので、夫婦共働きが普通である。そこで、祖父母が孫の世話をする主な手となった。経済発達の大都会また農村などでは親が仕事で忙しいか、出稼ぎ労働かによって、「隔代教育」まで現れた。上海人口福祉基金会の調査では、中国の今時の祖父母が孫育ての比率は88.9%を占め、隔代教育の比率

3、は53.3%に上ったが、その中約70%の家庭はその方式に不満足しているという。孫を甘やかし、教育方針の違いなどの孫育ちに関する問題で、どの家庭でも祖父母と親たちの間でトラブルが起こりがちである。では、日中の孫への子育て支援はどんな問題が存在し、どんなところがお互いに勉強になれるのか。祖父母が孫への子育て支援はどんな方式で、どの程度まで行われたら、母親に認められ、孫の成長にも役に立つのだろうか。　本稿は日中の孫への子育て支援の実情を比較し、孫への子育て支援に良い策を見つけることが目標である。まず、ア

4、ンケート調査を通し、中国の孫への子育て支援の実態を把握する。それから、日中孫への子育て支援方式と程度を比較し、それぞれの長所と短所をまとめ、最後に孫への子育て支援方式に良い策を見つける計画である。Ⅱ　本論2.1　住居関係から考えれば、祖父母と若い親との二世帯が同居に比べ、近居を選んだほうがよりよいのではないか。2.1.1　同居2006年10月に行われた調査では日本全土の平均三世代同居率は8.6%で、2000年に比べて1.5ポイント低下していたという。2008年7月上海人口福祉基金会などの協力で主催

5、された「人口素質アップ論壇」で公表された結果では、上海で常住している0-3歳の乳幼児が41.8万人あり、祖父母と三世代同居しているのが76.5%に達した。上海のことが特別かもしれないので、筆者は（2009）吉林省通榆第一小学校75名の4年生を対象に「孫への子育て支援方式と内容について」のアンケート調査を行った。その結果、祖父母と同居しているのが42人(56%)で、近居（16%）や遠居（24%）と比べ、かなりの比例を占めている。中国の家庭では、孫の世話をするために、同居を選ぶのが多いようである。しか

6、し、身の回り、同居している両世帯、祖父母と若い親、特に息子の嫁と姑の間で次々、年代別による教育方針の違いなどの問題を起こし、息子が難しい立場に置かれ、最後に離婚になる例も少なくなく、家族関係がなかなか円滑に進まない。日本では、若い母親の育児不安の中、祖父母と同居していても、それらの十分な孫への子育て支援をしてもらえなく、子供が思い通りにならないなどの悩みを持っているという。三輪ら（2005）によると、子供の心配事について、夫の親と同居の場合では、わがまま、食事、反抗の割合が非常に高くなっているとい

7、うことが分かった。これを原因には若い親が祖父母に反感を起こす。ということで、同居は良いとはいえないだろう。2.1.2　遠居本稿では車で30分以上の距離で離れた居住関係を「遠居」とする。筆者が行ったアンケート調査の第六問「普段祖父母と会う頻度」と第八問「電話で連絡する頻度」の回答を見ると、遠居の三世代が会う頻度と電話で連絡する頻度が低くて、「年に二三回程度」のような頻度の少ない回答は４割程を占めている。しかも、孫と祖父母の往来では掛け側と尋ね側が主に孫側である。つまり祖父母は孫の到来を待つ立場にあり

8、、付き合いの主導権は、孫側にあるということである。遠居のために、普段あまり接触しないので、「祖父母に対する感情が薄く、別に好き嫌いなわけでもない」を挙げる孫が80%を占める。祖父母と孫の交流方式は「衣類、おもちゃや学習用品を買う」と「お小遣い、誕生日プレゼントをあげる」の方が遠居の場合でより重要な役割を果たし、交流頻度が比較的に低い。しかも孫側に交流の主導権があるため、孫との交流を求める祖父母は孫に迎合したり、孫を甘やかす傾向がやや強く、孫の成長によいとは言えない。2.1.3 近居