综合日语教程第六册 第八课企业内の圣人.pdf

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1、かいしゃひとりおとこにゅうしゃしゃかんけいしゃくちきある会社に、一人の男が入社してきた。社の関係者の口利き[1]とかいうとくしゅにゅうしゃしけんごうかくへいぼんけっか特殊なものでなく、入社試験に合格という平凡な結果によってだった。ひとえかかおさいようき人のよさを絵に描いたような顔[2]をしていた、採用[3]かどうかを決めるしけんいいんおとこてんけいようおとこかぎ試験委員たちは、みなその男にいい点をつけた。形容すれば、この男に限って、かんきょうけっあくじかおいかなる環境におかれようと決して悪事はやらないだろう、といった顔つきだっ

2、たのだ。にゅうしゃしがんしゃぬめほかの入社志願者たちには、なんとなく抜け目[4]のなさみたいなものがあれんちゅうまおとことくおもる。そういう連中のなかに混ざっているので、その男は特にそう思えたのかもしれない。しけんいいんおとこぜんりょうらくだいてんまた、試験委員たちは、その男があんまりに善良そうなので、落第点[5]をにゅうしゃじぶんつけるのをためらった[6]のかもしれない。こいつを入社させないのなら、自分にざいしゃけんりきぶんも在社[7]している権利はないのではないかといった気分。にゅうしゃおとこえいぎょうぶはいぞくしゅうきん

3、入社したその男は、営業部[8]に配属[9]された、そして、集金[10]のしごとたんとうしゅうきん仕事を担当させられた。こいつなら集金をごまかした[11]りしないだろう、とのいんしょうおとこいちしゅうかんしゅっちょうめいしゅうきん印象によるものだった。まもなく、男は一週間の出張を命じられた。集金とりひきさきもんだいみせふくのためいくつかの取引先をまわるのだが、そのなかに問題のある店が含まれていしゃいんでまるこしゅうきんかえた。社員が出かけていっても、うまく丸め込まれ[12]、わずかな集金で帰らざるあつかしゅじんみせをえないという

4、、扱いにくい主人のいる店だ。おとこげんきでうわやくきたいふあんもみおく男は元気よく出かけていった。上役[13]は、期待と不安を持って見送った。いっしゅうかんおとこきしゃほうこく一週間がたち、男は帰社して報告した。しゅうきん「集金をしてまいりました…」うわやくきかんしんぜんにんしゃみせ上役はうなずいて聞き、感心した。前任者たちがてこずって[14]いた店から、うりかけきんかいしゅう売掛金[15]のほとんどを回収してきたのだ。ぜんれいしゅわんぬしみせこれはすごい。前例のない手腕[1]の主だな。よくやった。で、ほかの店は…」こんかいつ

5、ぎしゅっちょう「いえ、今回はこれだけです。あとは次の出張のときに…」へんじことばうわやくなんかいきじたいしその返事の言葉に上役はとまどい[2]、何回も聞きなおし、やっと事態を知り、きもおとこいっけんしゅうきんいっしゅうかんつい肝[3]をつぶした[4]。その男、一軒の集金に一週間を費やしたのだ。なんということだ。しん「信じられん…」うわやくおこわすしゅうし上役は怒るのも忘れた。そんなことをされては、収支がつぐなわなくなる。うわやくよみちあそ上役はひとりになってから、もしかしたらこいつ、寄り道をして遊んでたのじゃなうたがとりひきさ

6、きでんわいいかと疑った。そこで、たしかめるべく、その取引先に電話を入れてみた。せんじつしゃいん「先日、うちの社員がうかがって…」あいてへんじすると、相手の返事。しゃいんりっぱかた「いやあ、こんどの社員のかたは、じつに立派ですな。あんなまじめな方は、ましゅせきしょうたいうつはじめてです。負けました。酒席[5]への招待のたぐいはいっさい受け付けず、けむりまさくせんせいしんせいいこっちの煙[6]に巻こう[7]とする作戦にもごまかされず、ひたすら誠心誠意みせにっさんぜんがくはら[8]、店に日参[9]なさいました。こっちとしては、全額[

7、10]を払わずにいられねついひとしゃいんなくなりました。あんな熱意のかたまり[11]のような人はいない。いい社員ですあそみせかよはんめいな…」遊んでいたのではなく、その店に通いつめて[12]いたことが判明[13]ししゃいんうわやくふくざつしんきょうた。社員をほめられたのにもかかわらず[14]、上役は複雑な心境[15]だった。ひのうりつよかん非能率[16]きわまることではないか。ふと[17]、いやな予感をおぼえた。おとこしごといごちょうしつまり、その男の仕事ぶりは、それ以後もずっとそんな調子だったのだ。ひととかこころぼつにゅうと

8、こうつのことに取り掛かる[18]と、それに心から没入[19]してやり遂げ、あとに好いんしょうきゅうりょうぶんはたら印象をのこす。それはそれでいいことなのだが、給料分の働きになっていなしんにゅうしゃいんたいいうわやくあたまなやい。新入社員に対して「ほとほどにやればいいのだ」とも