综合日语教程第六册第三课水の东西.pdf

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1、第三課水の東西ししうごみ「鹿おどし[1]」が動いているのを見ると、あいきょうなかじんせいかんその愛嬌の中に、なんとなく人生のけだるさ[2]のようなものを感じることがある。たけいったんみずうかけひみずかわいらしい竹のシーソー[3]の一端に水受け[4]がついていて、それに筧[5]の水がすこしずきんちょうたか少しずつたまる。静かに緊張が高まりながら、みずうかたむみずきんちょうやがて水受けがいっぱいになると、シーソーはぐらり[6]と傾いて水をこぼす。緊張いっきとみずうはあたけいしが一気[7]に解けて水受けが跳ね上がる[8]とき

2、、竹が石をたたいて、こおんと、くぐもっやさおとた[9]優しい音をたてるのである。みたんじゅんむげんくかえ見ていると、単純な、ゆるやか[10]なリズムが、無限[11]にいつまでも繰り返される。きんちょうたかいっきなにごとおとろういち緊張が高まり、それが一気にほどけ[12]、しかし何事も起こらない徒労[13]がまた一かはじくもおんきょうとききざにわせいじゃくじかんら始められる。ただ、曇った[14]音響[15]が時を刻んで[16]、庭の静寂[17]と時間のながひたみずながときなが長さをいやがうえにも[18]引き立てる[19]

3、だけである。水の流れ[20]なのか、時の流れししわれわれながかんときざなのか、「鹿おどし」は我々に流れるものを感じさせる。それをせき止め[21]、刻むことしかながそんざいきょうちょうによって、この仕掛け[22]はかえって流れてやまないものの存在を強調しているといえる。わたしししおおぎんこうまちあいしつみ私はこの「鹿おどし」を、ニューヨーク[23]の大きな銀行の待合室[24]で見たことにっぽんふるぶんかしょうかいなかそぼくたけひびがある。日本の古い文化がいろいろと紹介される中で、あの素朴[25]な竹の響きがせいようじんこ

4、ころぎんこうひとびと西洋人の心をひきつけた[26]のかもしれない。だが、ニューヨークの銀行では人々はいそがひとおとつぎおとながかんかくきあまりに忙しすぎて、一つの音と次の音との長い間隔を聞くゆとり[27]はなさそうでまどそとふあはなふんすいみずあった。それよりも窓の外に噴き上げる[28]華やかな噴水[29]のばうが、ここでは水のげいじゅつあきひとびときも芸術として明らかに人々の気持ちをくつろがせて[30]いた。ながみずふあみず流れる水と、噴き上げる水。まちひろばふんすいそういえばヨーロッバでもアメリカでも、町の広場には

5、いたるところにみごとな噴水がなていえんいふんすいしゅこうこふうけいあった。ちょっと名のある庭園に行けば、噴水はさまざまな趣向[1]を凝らして[2]風景ちゅうしんゆうめいこうがいかべっそうなんびゃくの中心になっている。有名なローマ郊外[3]のエステ家の別荘[4]など、何百というふんすいむにわうつじゅもくくさばなそ噴水の群れ[5]が庭をぎっしり[6]と埋め尽くして[7]いた。樹木も草花[8]もここでは添そうだいみずぞうけいりんりつえもの[9]にすぎず、壮大[10]な水の造型[11]がとどろき[12]ながら林立して[13]い

6、るのわたしいきゆうごちょうこくに私は息をのんだ。それは揺れ動く[14]バロック[15]彫刻[16]さながら[17]であり、おとくうかんせいしみほとばしる[18]というよりは、音をたてて空間に静止[19]しているように見えた。じかんてきみずくうかんてきみず時間的な水、空間的な水。かんがにっぽんでんとうなかふんすいすくそういうことをふと[20]考えさせるほど、日本の伝統の中に噴水というものは少なつくたきいけほみずみこのにっぽんじんい。せせらぎを作り、滝[21]をかけ、池を掘って水を見ることはあれほど好んだ日本人ふんすいびき

7、んだいいたわすでんとうおそげんだいとかいが、噴水の美だけは近代に至るまで忘れていた。伝統は恐ろしいもので現代の都会でにっぽんふんすいせいよううつくとうきょうおおさかも、日本の噴水はやはり西洋のものほど美しくない。そのせいか東京でも大阪でも、まちひろばあいだぬひょうじょうとぼ町の広場はどことなく間が抜けて、表情に乏しいのである。せいようくうきかわひとびとふあみずもと西洋の空気は乾いていて、人々が噴き上げる水を求めたということもあるだろう。ロいらいすいどうぎじゅつふんすいはったつゆうりかんがーマ以来の水道[1]の技術が、噴

8、水を発達[2]させるのに有利であったということも考じんこうてきたきつくにっぽんじんふんすいつくりゆうえられる。だが、人工的な滝を作った日本人が、噴水を作らなかった理由は、そういがいめんてきじじょうおもにっぽんじんみずしぜんう外面的[3]な事情[4]ばかりではなかったように思われる。日本人にとって水は自然ながすがたうつくあっしゅくま