クラウドを実現する統合運用管理とインフラ管理技術

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1、クラウド指向サービスプラットフォームソリューション/IT基盤サービスと、それを支える技術クラウドを実現する統合運用管理とインフラ管理技術小池康夫要　旨サーバ仮想化の可能性を最大限に引き出し、クラウドに代表されるような効率システムを実現するためには（1）インフラの共有化及びその効率化と（2）仮想化に適した運用が必要となります。しかし、国内のサーバ仮想化は、リーマンショック後の特殊な状況下でコスト削減を主目的に一気に普及が進んだため、いずれも不十分なままとなっています。この現状を打開するためにNECでは、仮想化環境を含めたインフラの最低管理と、業務を含め

2、たシステム全体の運用管理の２つの観点で仮想化環境の効率化を促進します。キーワード●仮想化●クラウド●運用管理●インフラ管理●リソース共有ないか、どんな状況でも許容範囲で稼働が可能かを、事前に1.はじめに～今の仮想化に満足ですか？検証して見極めようとする作業のことです。今やシステムの基盤を構成する技術として広く一般化した重要な業務システムを新たな環境に移行するわけですから、サーバ仮想化ですが、一言で仮想化といっても、日本の多く業務が正しく動くかどうかを事前に検討するのは当然です。の企業が導入した（あるいは導入しようとしている）サーバしかし確実な解を得よ

3、うとするあまりに、場合によっては半仮想化は、最も基本的な、いわば「単純仮想化」が大勢と年から1年以上かけてサイジングに取り組む例も珍しくないとなっています。この状況では仮想化のメリットは限定的にしいう状況が数年間にわたって続いていました。か発揮されていません。加えてこの状態のままでは、次のス一方、昨今のクラウドについて書かれている記事や書籍なテップである「クラウド」を実現しても利用するのは簡単でどを見るとクラウドが想定している仮想化の利用形態では、はありません。ほんの数分間のうちに何らかの「リソースの塊」からシステ本稿では、より広範囲の効果を発揮する

4、仮想化システムのムが切り出され、業務に割り当てられることが前提となって考え方と、それを含む仮想化環境の運用上について、何が必いるように見えます。もしサイジングに苦労しながらサーバ要となるのかを俯瞰し、NECがそれをどう解決しようとして仮想化を実現された経験があれば、これは現実離れした夢物いるのかを紹介します。語に感じられるはずです。実はクラウドという潮流の根底には日本の現状とは異なる発想が存在します。それは仮想化によって、物理環境と仮想化された環境が切り離されることを利用し、弾力的で柔軟な2.国内の仮想化の導入動向と課題システム構成を行うという考え方

5、です。もし処理能力などのリソースが不足したら、もっと大きな2.1リーマンショックが変えた日本の仮想化処理能力を「その時点で」割り当てればよい。だから事前の2008年のいわゆるリーマンショック以前、日本国内でのサイジングはそれほど正確でなくてもかまわない。言い換えサーバ仮想化の普及率は欧米に比べ極めて低い水準にありまれば、後から割り当ての変更が困難なリソースだけを見極めした。この時点で普及を妨げていたのは「サイジング」の問ておけばよい。これは、あらかじめ決まった機器構成を前提題です。に、その範囲で業務が仮想化できるかどうか考える。あるいサイジングとは、

6、複数の業務を仮想化して1台の物理サーバは、特定の業務が過不足なく動く仮想化環境を､業務ごとに切に集約する場合に、処理能力や、メモリ容量などに不足が出り分けて構成していくというのとは正反対のアプローチです。NEC技報Vol.63No.2/2010-------71クラウド指向サービスプラットフォームソリューション/IT基盤サービスと、それを支える技術クラウドを実現する統合運用管理とインフラ管理技術用できるとは限らない点です。これには技術的な制約の場合2.2表面化した課題だけでなくライセンス体系が変化する場合などもあります。リーマンショック後、わずか1年

7、の間に日本でもサーバ仮想これら4つの要因はいずれも仮想化後の運用性に影響を与え化は急激に普及しました。しかしその目的はコスト削減に絞ます。ツールの追加や変更については新たな手順を構成すれられており、かつ短期間で成果を出す必要があったため、本ば、ある程度は吸収も可能ですが、2番目の要因「物理と仮想来検討すべき運用性や、効率化は十分手が回らないままに化の対応関係の不明確化」については人的な努力での対応になっている例が多々あります。この影響は2つの形で重要な課は限界があり深刻な課題となり得ます。題として表面化しつつあります。まず1つが仮想化に適した運用の確

8、立が後手に回っている点。もう1つがインフラとリソースの共有化が行われていない点です。4.NECの取り組みでは