忘れられた武士道」～「义」と共にあれ～

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1、「忘れられた武士道」　～「義」と共にあれ～「忘れられた武士道」　～「義」と共にあれ～「忘れられた武士道」　～「義」と共にあれ～日本人として生まれ、日本で育ち、日本文化と共に生きているにも関わらず、伝承しないまま忘れ去ってしまう訓えがある。時代が必要としていないからなのか。しかし、こんな時代だからこそ伝え続けていきたい訓えがある。先日、ラストサムライが日本で上映され、サムライブームが到来した。書店には「武士道」や「侍」と名の付く本が並び、皆の興味を集めていた。最近では落ち着き始めているが、サムライブームは皆の心に何を残したのだろう。ラストサムライを観て

2、自分も影響を受け、武士について調べてみることにした。そして、武士の思想である「武士道」にたどり着いた。「ブシドウとは字義的には武士道、すなわち武士がその職業においてまた日常生活において守るべき道を意味する。一言にすれば「武士の掟」、すなわち武人階級の身分に伴う義務である。…武士道は上述のごとく道徳的原理の掟であって、武士が守るべきことを要求されたるもの、もしくは教えられたるものである。それは成文法ではない。精々、口伝により、もしくは数人の有名なる武士もしくは学者の筆によって伝えられたるわずかの格言たることが多い。不言不文であるだけ、実行によって一層力

3、強き効力を認められているのである」（新渡戸稲造著、「武士道」より）しかし、「武士の掟」とはいってもむやみに口に出したり、書き残したりしてはいけないものであったわけだし、何か明確な決まりがあるわけではない。つまり、法律のように「これは犯罪、これは犯罪ではない」といったように「これは武士道、これは武士道ではない」といった区別をする明確なものさしがない。だから、これが武士道という定義は存在しない。だが、武士道として武士に重んじられていたいくつかものは共通している。それらの一つが、「義（正しい道）」である。孔子は、「義を見てせざるは勇なきなり」と説いた。「勇

4、」は「義」と並ぶ武道の双生児であるといわれている。武士は、主君に仕えている時、地震にもあわてることなく、嵐にも立ち向かって笑う。危険や死を目前にしても、なお冷静さを保ち、詩歌をつくる余裕さえある。これは、まさに主君に仕えることを「義（正しい道）」と捉えているから出来るのである。また裏取引などの不正な行いほど、武士の中でいまわしいとされるものはない。何故なら、それは武士が「義」を重んじ、主君を思っているからである。だが、武士が「義」を重んじるのは決して主君に仕えている間だけではない。例えば、元治元年、禁門の変で長州藩士と共に戦った真木和泉守という武士は

5、、「士の重んずることは節義なり。節義はたとへていはば人の体に骨ある如し。骨なければ首も正しく上に在ることを得ず。手も物を取ることを得ず。足も立つことを得ず。されば人は才能ありても学問ありても、節義なければ世に立つことを得ず。節義あれば不骨不調法にても士たるだけのことには事かかぬなり」と言い残した。真木和泉守のいう節義とは、例えると人の体の骨であり、人が人としてある為にいかなるときも、常に欠かせないものである。むしろ節義さえあれば、骨がなくても、体の機能が正常ではなくても、武士としては十分であると説いている。この文章から武士は主君に仕えていない時でさえ

6、も、「義」を貫き通していたということがよく分かる。このように「義」と「勇」を重んじ、危険や死に直面しても恐れずに冷静であり、不正行為を許さず、武士が武士として生きるために一時的なものではなく、絶えず「義（正しい道）」を貫き通してきた武士のこの考え方、武士の姿をとても美しく、魅力的だと思う。不正が多発し、人が生きる際に重んじるべきである「正しい道」が見えにくくなった現代。継続も出来ず、一時的な「正しい道」を見出だし、実行しては終わりを繰り返している現代だからこそ、自分に磨きをかけるのに会得し、実行したい生き方である。話は変わるが、もし道端に倒れている人

7、がいたら、火事の現場に助けを求めている人がいたら、新潟の大震災の被害者ように生活面で苦しんでいる人がいたら、あなただったらどうするか。ほおっておくという選択肢だってもちろんある。だが、きっとあなたは自分で考えて、道端に倒れている人がいたら病院に連れて行ってあげ、火事の現場に助けを求めている人がいたら消防車と救急車を呼び、新潟の大震災のような生活面で苦しんでいる人がいたら食料を分けてあげたり、布団や毛布を貸してあげたり、助けようとするだろう。それこそが、武士の間で重んじられていたことの現代版、「義（正しい道）」であると思う。もしこれに共感してくれたので

8、あれば、あなたには「義」があると思う。しかし、「義」のある行いが出来ない人、または一時的にしか「義」のある行