第七章平安朝随笔『枕草子』

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1、第六章平安朝随筆『枕草子』（一）小テスト（二）平安朝随筆『枕草子』（一）小テスト（１）次の①～⑧のうちから、『古今集』の歌風に関係のある項目をすべて選べ①ますらをぶり　　　　　②たをやめぶり③素朴　　　　　　　④優美⑤理知的　　　⑥直感的⑦繊細　　⑧力強い（1）解答②④⑤⑦（2）次の四人はいずれも『古今集』の撰者だが、それぞれの読み方を現代仮名遣いで記せ。紀貫之紀友則凡河内躬恒壬生忠岑（2）解答紀貫之→きのつらぬき紀友則→きのとものり凡河内躬恒→おうしこうちのみつね壬生忠岑→みぶのただみね（3）次のア～エの修辞法を、後の①～④の中から選ん

2、で、それぞれの（　）に番号で記入せよ。ア、ある語句を言い出すための言葉で、慣用的・固定的ではなく、個人の自由な使い方が見られ、多くは七音以上になっているものを（　）という。イ、同音異義を利用して、一つの語に二つの意味を持たせるようにした表現で、おもしろみと同時に、イメージを重ねて、歌に幅を持つようにしているものを（　）という。ウ、意味的に関連の深い語群を、意識的に詠みこむことで、言葉の連想力を呼び起こし、複雑なイメージを織り出す表現技法。掛詞とともに用いられることが多い。（　）エ、ある語句を言い出すために、その語句の頭に置かれる固定的な言

3、葉で、普通五音から成っているものを（　）という。①序詞　　　②縁語③枕詞④掛詞（1）解答ｱ①ｲ④ｳ②ｴ③（二）平安朝随筆『枕草子』（1）平安朝随筆日記の中に芽生え、時間や場所の制約から解放され、自由に、断片的に自己を表現する文学で、自照的、批評的傾向が強い。随筆という文学形態（ジャンル）を新しく開いたのは『枕草子』である。（2）『枕草子』について①作者清少納言（せいしょうなごん）965～1025？「清」は本姓「清原」の略。「少納言」は宮中での呼称。平安中期の女房。著名な学者・歌人の清原元輔（きよはらのもとすけ）の娘。中古36歌仙の一。本名

4、未詳。和漢の学に通じた才女で、紫式部（むらさきしきぶ）と並び称せられ、一条天皇の皇后定子（ていし）に仕えて寵愛を受けた。②書名書名やその由来についての定説はないが、「枕」とは当時「枕冊子（まくらのそうし）」の略で、身辺座右に置いていた冊子（そうし）（＝草紙・草子・双紙。「綴じ本」の意。）のことであるから、書名の意味は「備忘録」「身辺の随想」などが妥当だろうとされる。③成立１００１年頃までに一つの書として成立したが、その後も１０１２年に至るまで加筆がされたようである。④内容『枕草子』は一条天皇の中宮（ていし）定子を中心とした後宮（こうきゅう

5、）に出仕（しゅっし）していた作者の見聞や体験、感想などが記されたものである。⑤内容上の分類全体は約３００段からなり、内容上次のように３種類にに分けられる。A類聚的部分「山は」「鳥は」とか、「めでたきもの」「すさまじきもの」などの見出しの下に、それに一括できるものを列挙していて、美的世界の分類といえる。B日記的部分中宮定子を中心とした華やかな宮廷生活の回想で、作者の機知に富んだ言動が見られる。C随想的部分自然や人生についての感想の収録で、最も随筆的である。⑥史的評価「枕草子」には、「源氏物語」のような内面的な深さはみられない。しかし、作者独

6、特の鋭敏な感覚と観察力、対象におぼれない客観性、新鮮で印象的な描写、簡潔で気品のある文体によって、自然や人間を的確にとらえている。同時期の『源氏物語』の「もののあはれ」に対して、『枕草子』は、明るい若さ、知・直感的精神を生命とする「をかし」が基調となっていて、中古文学の中で独自の高さを占めている。随筆の最初の作品として史的意義は大きく、中世の『方丈記（ほうじょうき）』や『徒然草（つれづれぐさ）』に受け継がれていった。⑦美的理念としての「をかし」A、辞書的解釈物事を観照し評価する気持ちで、「あはれ」が感傷性を含むのに対して、より客観的に賞美

7、する感情。①心ひかれる気がする。②おもしろい。③趣がある。風情がある。④かわいらしく愛すべきである。美しくて魅力がある。⑤すぐれている。みごとだ。B、美的理念として明るい知的な美を表し、景物を感覚的にとらえ、主知的・客観的に表現する傾向をもっている。