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时间:2018-07-20
《足球风云日文同人文6ファイナルディスティネーション》由会员上传分享,免费在线阅读,更多相关内容在行业资料-天天文库。
1、────どうしてそんなに好きなの?だって、あの人を好きにならないほうがおかしいよ?あの動き。あの目!どこにいたって視線をクギづけさ。みてるだけで夢中になる。自分だけがとくべつじゃないぜ。いいわけするみたいだけど。どれでもいいから掛川の試合のビデオをみりゃわかるって。カメラがとらえるのは、いつでも、まずあの人だ。ボールがわたってないときでもカメラはあの人を追ってる。あの人なら、なにかやってくれるから。奇跡をおこしてくれるから。みてるだけで、心をうばわれる。そこにいるだけで、目がはなせないんだよ。大勢の人でごったがえす空港の広い出発
2、ロビーのなかでもその人はすぐにみつけだせた。神谷さん。荷物をかかえてウロウロしてる。俺はロビーをみおろすフロアからいっきに階段をかけおりて、人をかきわけ全力ではしった。息せき切ってたどりつくと、神谷さんは声をかけるまえに気づいてふりかえり。照れたようにわらった。「馬堀」「神谷さん」すこしはおどろいた顔をしてくれてもいいのに。「どこいってたんですか、マネージメントの人さがしてましたよ」「迷った」「空港はじめてじゃないでしょーが」神谷さんは顔をしかめた。「ウルサイなお前。小姑みたいだぜ」「神谷さぁん!!」「冗談だよ」手をのばして俺の
3、口をふさいで、神谷さんはそのまま手首の時計をみた。「馬堀」「ナンですか?」俺は背中がぞくぞくした。神谷さんのその声は、すこし調子がちがっていた。わかってる。気づいてる。俺が神谷さんにいいたいことがあるってことに。そのために他の連中との待ち合わせ時刻より早くでてきたことに。「見おくりにしては、ちょいと早く来すぎじゃねーの、お前」「用心深いんです、俺。神谷さんとちがって」そういいながら俺は神谷さんの表情をうかがう。神谷さんはすでに心ここにあらずって顔をしてる。心はもうイタリアにいってしまってるんだろうか。イタリアよりもっと遠い世界に
4、いってしまってるんだろうか。「いつかは掛高サッカー部を卒業していくんだとおもってたのに、神谷さんは卒業しないでいってしまうんですね」俺はかがんで、神谷さんが足元においた荷物をもちあげながらつぶやいた。「馬堀……」身体をおこして、俺は正面から神谷さんをみた。「いつかは久保さんのことも卒業してくれるってしんじてたのに。とうとう卒業しないで、そのままもっていってしまうんだ。そうなんでしょう? 神谷さん」「馬堀…………馬堀」手がふるえて荷物がすべりおちた。ドサッという鈍い音が靴底にひびいた。神谷さんは困惑してる。もてあましてるみたいなそ
5、の顔をもっと困らせてやりたくて、俺はガバッと腕をひろげていきなり神谷さんを抱きしめた。ここはフィールドの上じゃない。俺はパスをもらってゴールを決めたところじゃない。神谷さんの身体はいっしゅんビクッとこわばり。それからリラックスして俺をうけとめた。畜生。3センチメートルの差がこんなに遠い。これじゃ抱きしめてるのは俺じゃなくて神谷さんのほうだ。神谷さんは左腕を俺の背中にまわしてギュッとひきよせ、右手を首にまわして、なだめるようにやさしく何度も俺の頭をなでた。そのやさしさで、俺は泣けた。つきとばしてくれたほうがまだマシだ。どこからどう
6、みても、甘ったれの後輩となぐさめてる先輩の構図じゃないか。声を上げて泣きたいぐらいだった。「馬堀。すまない」「なんであやまるんですか神谷さん」あやまるのは俺のほうなのに。「うけとめてやれなくて………すまない」俺は背筋がさむくなった。だれにいってるんですか神谷さん。そんなふうにやわらかく甘く話す声を俺はきいたことがない。言葉は俺にむけられてるのに、声はどこか別の方角に話しかけてるみたいだ。俺は身をかたくし、腕をつっぱって神谷さんの抱擁からぬけでた。どこをみてるんですか神谷さん。神谷さんの視線は俺をつきぬけてどこか遠くをみている。俺
7、の背後にだれがいるんですか。どうして俺をみてくれないんですか。もどかしくて、くるしくてせつなくて、俺は神谷さんの肩をつかんでゆすぶった。どうしてそんなに好きなの?電話の声が耳によみがえる。だって、好きにならないほうがおかしいでしょ? 妹サン。私のお兄ちゃんだもんね。そんなの当たり前よ。じゃあなんできくワケ?どうして好きなのか、ってきいたんじゃないわよ馬堀先輩。どうして、そんなに好きなの、ってきいたんです。神谷さんは俺の手をみてから、俺に視線をもどした。「もう、いいんだぜ、馬堀」………え。「もういいって。いいかげん、久保の想いから
8、自由になれよ」………なにいってるんですか神谷さん。「久保にとりつかれてンのは俺じゃねエ。お前だろ」俺は棒のようにつっ立って神谷さんをみつめた。神谷さんは天使のようにほほえんで、肩から俺の手をひきはがし、そのまま両手でつつみこんだ。「お前をのこしてくのが心配だぜ馬
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